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USA Today Sports記事訳「日本の羽生が悲劇を乗り越えて金メダルを獲得」(2014/2/15)

最初にひとこと。
「そのつらさ、私が代わりに全部ひきうけるから! ぜんぶまとめて送ってください、いますぐ!」
……ほんとうは知ってます。たとえ、それができても、彼はそんなことしないって。つらいって、ありのままの思いを口にできる強さと、それを正面から引き受ける強さがあることも。

さて、半年前のソチ・オリンピック時の記事訳です。ほんとうは金メダル半年記念日にアップしたかったのですが、間に合わなくて、きょうになってしまいました。以前、ご紹介したNY Times記事と同様、訳していらっしゃる方は複数いらっしゃるとは思いますが、coco版ということで読んでいただければうれしいです。

USA Today Sports
日本の羽生が悲劇を乗り越えて金メダルを獲得
2014年2月15日
ナンシー・アーマー著

USATODAY.png
2014年冬季オリンピック、ソチのアイスバーグ・スケーティングパレスにて、フィギュアスケート男子シングルでフリープログラムの演技中の羽生結弦
(USA TodaySports ロバート・ドイチ撮影)


ロシア、ソチ――ホームリンクが壊れ、故郷仙台の街の建物が崩壊したとき、羽生結弦は自分がスケートを続けたいのかどうかすら、わからなくなった。

3年前の地震と津波によって、彼の世界は根底から覆され、それに耐えるのに精一杯で、生きていくこと自体、困難だった。トップアスリートに求められる、厳しい練習を続けるどころではなかった。しかし、トリノ・オリンピックの金メダリストである荒川静香が、当時16歳の彼にスケートを続けるよう励まし、リンクに寄付をし、地域の人々からも寄付が集まり、神戸ではチャリティ演技会が開催された。

羽生はオリンピック金メダルという形で、その恩に報いた。日本のフィギュアスケート男子シングル初の金メダルだ。

「ぼくがここにいるのは、支援してくださった日本のみなさん、世界じゅうで応援してくださったみなさんのおかげです」羽生は通訳を介して、そう語った。「いいことができたんじゃないかな、恩返しができたなというふうに思います」

金曜の羽生の演技は、オリンピック史上、もっとも忘れがたい演技とは言えないだろう。実際、フリープログラム序盤に2回のジャンプで転倒し、羽生自身、金メダルは逃したと確信した。曲が終わったあとも、たっぷり数秒間、フィニッシュ・ポーズで下を向いたまま、しゃがみこんでいた。

VIDEO: Hanyu takes gold

日本の羽生結弦がフィギュアスケート日本男子シングル初の金メダリストとなる。土曜には、メリル・デイヴィスとチャーリー・ホワイトがアイスダンスで金メダルを獲得。

ようやく起き上がったとき、その顔には気弱な笑みが浮かんでいた。団体戦と個人戦のショートプログラムで見せた、落ち着き払った堂々たる演技とはちがい、もっとも肝心なときに緊張してしまったのだ。

「はっきり言って、自分の演技には満足していないです」と羽生は言う。

しかし、世界選手権三連覇中のパトリック・チャンがさらにミスを重ね、今回ばかりはジャッジもカナダ人のチャンに金メダルを与えることはできなかった。

羽生は約5点差でチャンに勝ち、1948年のディック・バトンに次ぐ、若きオリンピック金メダリストとなり、”カナダの呪い” が解かれることはなかった。カナダの選手は世界選手権で14個の金メダルを獲得していながら、オリンピックの金メダルはひとつも獲っていないのだ。

羽生のコーチが、オリンピックで金メダルに手が届かなかった多くのカナダ人のひとり、ブライアン・オーサーであり、彼がトロントで練習をしていることが、この皮肉な状況に輪をかけている。

「せっかくの機会を逃してしまった」とチャン。「金メダルを首にかけたも同然だったのに、この手でそれを掴むことができなかった」

銅メダルはカザフスタンのデニス・テン。ジェイソン・ブラウンは9位、ジェレミー・アボットは1936年以来、アメリカ選手としては最下位の12位だった。

羽生が表彰台の中央に登りつめるまでの道のりをたどるなら、その原点は仙台へとさかのぼる。

2010年、世界ジュニア選手権で優勝した羽生は、日本の次世代の有力選手と目されていた。しかし、2011年3月に東日本大震災が発生。ホームリンクは壊滅的な被害を受け、練習は不可能となる。羽生は練習拠点を横浜に移し、その後、練習と資金調達のため、多くのアイスショーに出演した。

そして地震の1年後、彼はトロントに移り、オーサーに師事した。

「カナダへ行く決断は非常にむずかしいものでしたし、仙台に残っていたいという思いもすごくありました」と羽生は言う。

羽生はもともとカンガルーにも負けない跳躍力の持ち主だ。しかし、4年前のバンクーバー・オリンピックの女子シングルでキム・ヨナを優勝させたオーサーのもと、彼はオリンピック・チャンピオンにふさわしい優雅さとレベルの高い演技を身につけた。

2度の転倒から立て直した羽生を金メダルへと導いたのは、その芸術性だった。『ロミオとジュリエット』の曲にのせて滑る、彼のエッジワークは見事としか言いようがなく、ソチのオリンピック委員会は彼のブレードが刻んだトレースつきの氷を切り取って売ることができるだろう。彼のスピンは速く、安定しており、軸がぶれることがなく、骨がゴムでできているかのような、独特の姿勢で回転する。

しかし、ジャッジはこれまでチャンに高得点を出してきた。昨年の世界選手権ではフリープログラムでいくつか大きなミスをしながらも、金メダルを獲得している。そのチャンの演技がまだこのあとに控えているのだ。

「6分間練習から、焦ってました」と羽生。

チャンの演技は、すばらしいクワド・トウループ〜トリプル・トウループのコンビネーションではじまった。まるで空を飛んでいるかのような、スピードと流れ。しかし、それから崩れ、2度めのクワド・ジャンプであるトウループの着氷に失敗し、転倒を避けるためにお手つきとなった。

さらに、ほかのふたつのジャンプでステップアウトし、トリプル・サルコウがダブルになった。

「わたしのほうがひとつ多くミスをしてしまった」とチャン。

羽生ははじめてオリンピック・チャンピオンだと紹介されたとき、胸に手をあてて、顔をほころばせた。フラワーセレモニーのあと、チャンとテンがリンクを去っても、羽生は日本の国旗を手にして、意気揚々とウイニング・ランを行なった。たったひとりで。

いや、そう見えた、と言ったほうがいいだろう。

「きょう、金メダルをとったのはぼくひとりかもしれませんが、ひとりでここにいるわけじゃないと思っています」

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さて、ここ数日、怒涛の更新を続けてきましたが、またしばらくお休みに入ります。古いインタビューでご紹介したいものがあるのですが、いつ時間がとれるかな……。初戦のフィン杯まで情報が出るかどうかわかりませんが、なにか出たら、またご紹介しますね! それまでは、やさぐれDaysを過ごしていると思ってください。

以下はひとりごとなので、スルー推奨物件です。翻訳を読みに来てくださった方は、こちらでさようならです。ではでは、どうぞ、お元気でお過ごしくださいね♪





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今回の24時間テレビを見て、改めて彼の背負っているものの重さを知りました。そして、その覚悟のほどを。

何年も前のことです。家族の目の前で知り合いが亡くなりました。事故でした。誰にも助けることができませんでした。

その後の私たちを襲った感情は、衝撃、悲しみ、そしてなによりも罪悪感でした。生きていてごめんなさい、という気持ち。だれになにを言われたわけではありません。ただ、ひとりでにそういう思いがこみあげてきて、どうやっても消し去ることができませんでした。

朝、目を覚ますと、ああ、なんだ悪い夢だったんだ、とほっとして、次の瞬間、それが現実だということに気づき、絶望する。そんな日が1年近く続きました。

しばらくは、朝から晩までそのことばかり考えていました。しだいに、それが1日数時間になり、数日に1度になり、やがてその間隔はますますあいていきました。時間が解決してくれたわけではありません。時間が解決してくれることなんて、わずかしかない。ただ、逃げたんです。全速力で。つらい思いと向き合うのを避けて。自分を守るために。なにもできないまま。

あれから10年たちますが、いまだに思い返すことすらできません。まだ過去になっていないから。向き合うことから逃げてきたから。

でも、彼はちがう。みんなの痛みを自分の痛みとして背負うことを決めた、悲愴なまでの覚悟。彼がなにを言おうが、言うまいが、その思いは真摯な演技として伝わってきます。彼が命を削るような思いで、と言うたびに辛くなるけれど、ファンにはなにもできない。だからこそ、ただひたすら、応援していくしかない。その背中を追いかけて、私にもいつか自分の中の痛みと向き合える日が来ることを願いながら。そして、彼が背負った重荷をすこしでも下ろせるよう、できるかぎりのことをしていこうと心に決めて。
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[ 2014/08/31 08:54 ] 羽生結弦 | TB(-) | CM(-)

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